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2024/04/20 21:47 |
職歴#7
で、朝になり

米沢のイッパツ目の営業でした。


もちろんお客さんノートは役に立たないので

モロに飛び込みの販売でした。

まーおれも半ばあきらめ加減で行ったんですが。


人はものすごくいいんです。

みんないい人で、話はちゃ〜んと聞いてくれるんです。


でも、買わない


1日10件くれーしか回らないおれが

50件回っても売れません。

最後の最後に頼み込んで枕1コとか

そんな売上げが続いてました。


何がわりーのかもわからずに、なんでかんで10日以上がすぎ


ある日フツーに1件の家行ってみたら

初日だったか2日目だったかに、けっこう仲良くなれたお客さんがいたんです。

聞けば親戚の家だとか。


そのお客さんに言われたのが

「おめ様、前よりず〜いぶん売る気でやってんな〜」

「だって売れねーんだもん〜〜」

「そんでは誰も話聞いでくれねーぞ?」
「おめ様だって最初っから売る気で来られだら、話なんど聞がねーべ?」

「うっ....」

確かにそうです。

おれ、売れねーアセりから、お客さんの事なんか何にも考えてなかったす。

相手が何を求めてるのかも聞き出そうとしねーで

自分の売る気だけでやってたんです。


まー確かに売る気ガンガン見せれば、いい人だと枕1コくれーは買ってくれるんで。

そう思うあたりは、おれ自身の目標の低さでありおれ自身のアマさです。


それじゃダメなんだって事、一瞬で思い出させてもらいました。


「そーだったね〜〜。 おれ、幼稚園の頃に教わったわ」
「人からされて嬉しい事はいっぱい人にやってあげなさい。 でも人からされてイヤな事は絶対人にやっちゃいけません!って」


人の気持ちなんかわかるわけねーんです。

だっておれはその人じゃねーんだから。

でも、いい意味でジコチューになって

自分だったらどうだろう??

自分だったらどう思うだろう??

って考える事ってすげー大切だと思うんです。


「おー。おめ様、な〜がながわがるにーちゃんだな〜」
「おし!ここの家は買わねーげっと、おれが1組買ってけっから!」

「えっ??マジで??」

「どれ、郵便局さ行くべ。 お金下ろしてくっから」
「その布団、なんぼや?」

「12万8千円だよ?!」

「んだが! んで4組買うがら」

「....??...はいっ??」

「んだがら全部で50万にしてけろ」

「まっ....マジすか〜〜〜???」

「あど、今日はおらいで晩メシ食ってげ!」

「まっ...まっ...マジすか〜〜〜
「あっ!だっておれ、免許ねーからみんなと一緒に帰んなきゃです」

「わがったわがった!泊まってってもいいし、おれが送ってってもいいし」

「まっ...まっ...まっ...マジすか〜〜〜



ほんっと嬉しかったです!

あんなに苦労してたのに

それこそ泣きそうな顔になりながらやってたのに

こんなにサクッと買ってもらえるなんて〜〜〜


その日の晩メシ、そこの家でごちそうになり

そのお客さんが言った事

「おれは布団買ったんじゃねーんだ。 おめ様の気持ちに50万払ったんだ」
「それにちょうど良ぐ布団がくっついできただげだ」

おれ、小学校以来、久しぶりに人前で泣きました。





物を売るのが大事なんじゃなく

自分を売る事こそが本当に大切なんだって事を教えられました。

自分を売った結果が。そのまま売上げとして結果につながるんだって。

そして自分を売る時に、その売り物である自分自身が恥ずかしくないように

いつでも自分を磨いてなくちゃいけないんだって。





そう思ったら

米沢で今まで枕1コしか買ってもらえなくて

「なんだやショボい家だなや〜〜

なんて思ってた自分が本当に恥ずかしく

どーしてもその人達に謝りたくて

次の日からは近く通ったら、必ず行って謝る事にしたんです。



おれ、ほんとに謝りにだけ行ったんですが

やっぱりそーやって心からの気持ちで行くと

なぜか?どこの家でも布団買ってくれるんです。



そんなカンジでだんだん売上げも戻ってきて

おれは2ヶ月後にはウルトラA店の中でもけっこういいトコいってました。

相変わらずお客さんノートは書き続けていましたが。


でも仙台にいた時のおれと、決定的に違う事は

絶対に調子こいてなかった事....だと思う〜〜




で、米沢も3ヶ月がすぎ

仙台に呼び戻される時が来て

その夜はまた、あそこの家にお泊まりさせていただきました。


ハタチやそこらのおれが

人として何が大切なのか 物を売るって事が実はどういう事なのか

心から教えていただいたお客さんと、夜中まで酒飲んでお話しました。

おれにとっては一生忘れられないお客さんです。



〜つづく〜











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2010/10/27 13:01 | Comments(0) | TrackBack() | ひとりごと

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